≪アタックすスカフェの歴史に学ぶ経営より抜粋≫
1.今週のトピック
【静岡事務所所長 鈴木のちょっといいコラム】
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シリーズ:歴史に学ぶ経営31
『「大事にされている」と顧客に思わせる工夫』
静岡事務所所長 鈴木茂和
ほぼ同じ頻度で同じ理髪店・美容院を利用すると言われる読者諸兄姉が多い
のではないだろうか。筆者もご多分にもれず、行きつけの理髪店にだいたい
月一度のペースでご厄介になっている。ところが今年に入ってから、2回ほど
違う店を利用してみた。たまたま移動途中で見つけた店であったり、出張先で
あったりと、少し気分転換のつもりで入ったわけである。
すると3月の上旬に行きつけの理髪店からハガキが届いた。「しばらくお目
にかかっておりませんが、いかがお過ごしですか」という内容だ。これには
正直驚いた。オヤジ(理髪店のご主人)の顔を思い浮かべながら、自分のこと
を気に掛けていてくれたのかと、まんざら悪い気はしなかった。と同時に商売
熱心なことにもいたく感心した。
顧客というものは、我がままで浮気性だ。しかし「大事にされている」と
思えば、一時は離れてもまた戻ってくるものだ。そのためにも、常にあなたの
ことを気に掛けていますよ、あなたは大切なお客さまですよ、というメッセー
ジを伝え続けなければならない。
人間は、自分のことを大事に思ってくれる人、関心を持って見てくれている
人のことを決して悪くは思わないものだ。もちろん顧客だけではない。社員や
部下、友人や家族も同様だ。「真価を認めてもらいたい、気に留めて欲しい、
大切に扱って欲しい」という承認欲求を皆持っているからだ。
中国の古典にも、「士は己を知る者の為に死し、女は己を悦ぶ者の為に容
(かたちづく)る」(戦国策)とある。企業経営者は、我が社に関わる全ての
人達の「大事にされたい、気に掛けてもらいたい」という欲求を満たし続けて
やる必要がある。それが出来ている間は、顧客からも社員からも、株主、そし
て地域社会からも必要とされる企業でいられることであろう。しかしこれは、
「言うは易く行うは難し」の経営課題でもある。
以上
私事で大変恐縮ですが、鈴木茂和は健康上の理由により、3月末をもって、
株式会社アタックスを退職いたします。『プロ経営者に学ぶ経営のコツ』、
『歴史に学ぶ経営』は今回を持ちまして終了させていただきます。永年に亘り
ご愛読いただきましたことに、心よりお礼申し上げます。本当にありがとう
ございました。皆様の益々のご発展をお祈り申し上げます。
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こちらこそ、ありがとうございました(MOH通信)